証拠保全info

企業における証拠保全とは

近年、医療問題以外の証拠保全撮影の依頼が増えております。特に、企業を相手取った労災などは証拠保全全体の中でも割合が増しております(これまでの実績ページ参照)。労働案件はその中の「その他」の項目に含まれますが、平成27(2015)年は26件あり、労働案件以外を除いても労働案件が全体の3割ほどの割合になっております。

一般的に、企業案件が医療事件の証拠保全と異なることとして次のことがあります。

  • 相手方が慣れていないため、裁判所の説明や相手方の対応に時間がかかり証拠保全を開始するまでに時間がかかる傾向がある。
  • デジタルデータの取り扱いに慎重にならざるを得ない デジタルデータは同じものを複製しやすいメリットもあるが、同時に変化もしやすい。
  • 必要な証拠の定型がない(診療記録、看護記録など形が決まっていない)案件による。重要な証拠が案件によって異なる。

具体的な労働案件としてよくあるのが、過労死、後遺障害、過労やパワハラなどを原因としたうつ病の発症等による損害賠償請求の案件です。未払い残業代請求等の案件もありますが、証拠保全を行う費用や手間に対して割りが合わないのか、全体の中では少ない傾向にあります。そのため、残業代請求の案件は一名ではなく、複数名分の申立が同時に行われることもあります。

労働案件全体として、被災者の勤務時間が多くのケースで重要になってきます。それに伴い、被災者が具体的にどのような仕事に従事していたかという労働実態を記録化することもあります。弊社カメラマンは撮影のみならず、パソコンの操作やデータの取得作業を積極的に行います。私どもは労働問題を取り扱う際に作業者が持っているべき基本的な能力が3つ挙げられると考えます。

まず1つめに、当然のことですが、デジタルデータの性質や取り扱いについて熟知していること。例えばタイムカードは労働時間を把握するのに最もわかりやすい記録ですが、残業前に押すように指示されていたりなど、被災者や家族の証言と大きくかけ離れる、記録としてあまり意味をもたないケースもあります。そうした場合はパソコンのログやデータ、メールのタイムスタンプの記録がより重要になってきます。証拠保全の現場では、被災者の勤務実態に詳しい人(直属の上司、同僚など)が、不在のこともよくあります。また、証拠保全の担当をする相手方社員や代表取締役がパソコンに明るくないことも多くあり、申立人側に十分な知識があることが要求されます。ある程度の規模の企業になってくると人事部やSEが担当して証拠の開示を受けることも多く、彼らと対等の知識で話し合えることも、証拠を逃さないためには重要です。

2つめに、データの保存場所を推測できる能力があります。被災者のパソコンが事故当時のまま残っていれば理想的ですが、被災時のままの状態でパソコンが保管されてあるケースのほうが珍しいと言えます。そのため、残っている現状のどこに情報や資料があるかなどを経験や前もって調査した情報から見極める能力が必要になってくる。

3つめに、限られた証拠保全の時間内で最適な証拠保全ができることが挙げられます。書類撮影との進行のバランス、段取り、データの状況や容量の把握、必要な時間の推測などを現場で迅速に判断し、実行することが必要です。全ての証拠の記録化がスムーズに終わるケースももちろんありますが、限られた時間の中で作業が終わらない場合もあります。膨大な量のデータコピーを何日もかけるわけにはいきません。弊社のスタッフは日頃から最新の技術やセキュリティの知識などを研鑽し、当日の限られた時間の中で証拠保全後の流れも見据えて最善の流れを現場の弁護士に提案、相談して作業内容を決めています。

労働案件の他に企業の証拠保全でよくあるのが、企業間の案件です。知的財産権、著作権の争い等、建築などの工事請負契約、債務の未払い契約など。弊社ではいずれの案件でも事前の調査を綿密に行い、労働案件と同様の姿勢で臨んでおります。

 

 

証拠保全全般

2016年10月14日

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