証拠保全info

医療事故、医療ミスにあったら

問題のない手術と言われていたが、予想外の結果になった。定期的に検診を受けてきたのに、ある日突然、進行したがんに罹っていると言われた。治るはずの病気が治療前より酷い状態になった、など医療事故、医療ミスには様々なケースがあります。

医療事故や医療ミスにあい、本人、または家族が責任追求や損害賠償請求を検討する場合、受けた治療に法的に過誤があったのかどうか、まずは医療訴訟に詳しい弁護士に相談にいくという方法が考えられます。しかし、弁護士はご依頼人の話を聞いてすぐに訴訟や交渉を起こすわけではありません。そうした場においては客観的な証拠が必要となるためです。

医療事故の場合、客観的証拠に該当するものが、いわゆるカルテなどの診療記録、入院や手術の記録、レントゲンやCTなどの画像記録になります。しかし、そうした証拠は医療側に偏在し、患者側がはじめから十分な記録を持っていることはほとんどありません。

患者側がカルテなどを入手する方法に、大まかに分けて『カルテ開示』と『証拠保全』の2つがあります。

カルテ開示

カルテ開示とはその名の通り、診療を受けた病院に患者や家族が直接依頼してカルテを取り寄せる手続きです。開示に積極的な病院も増え、近年普及してきた方法ですが、デメリットもあります。

まずは改ざんが可能なこと。証拠保全と違い、カルテ開示の申し込みがあってから実際にカルテを開示するまでの時間は病院に委ねられるため、悪意がある者に改ざんを行う時間的余裕を与える事にもなります。また、改ざんが難しいと言われている電子カルテですが、技術的には痕跡を残さない改ざんが不可能なわけではありません。難しいかどうかは病院の規模や管理体制、導入している電子カルテソフトのメーカーや種類によってきます。また、痕跡を残さない分、一度改ざんされてしまえば紙カルテより判別が困難になります。そもそも、電子カルテでは当然記録されているはずの資料が提出されないことも少なくありません。

また、カルテ開示では必ずしも全ての記録が提出されるわけではないようです。カルテ開示は法律などで定められた手続きではないため、どの記録が提出されるか、病院によってまちまちなのが現状です。一度カルテ開示をしたけれども必要な記録が得られなかったために証拠保全に至ったというケースもあります。病院側の担当スタッフも全ての記録について把握しているわけではないためです。カルテ開示にかかる費用も、病院によって違いが大きいのが現状で、診療科や期間によっては高額になる傾向もあるようです。

証拠保全

裁判所は、あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると認めるときは、申立てにより、この章の規定に従い、証拠調べをすることができる。 (民事訴訟法234条)

一方、証拠保全とは民事訴訟法に定められた裁判所の手続きのひとつです。ほとんどの場合、証拠保全を行われる当日の数時間前に裁判所の執行官が病院に通達を行います。その時になって病院は初めて証拠保全が行われることを知ります。その後、決められた時間に裁判所と証拠保全を申し立てた弁護士とともに病院を訪れ、証拠保全を行います。証拠保全で裁判官が検証した記録は調書という形で裁判所に保管され、後々に訴訟になった場合、そのまま証拠として採用されます。その際に記録化を担当するのが弊社のカメラマンです。

証拠保全のメリットとして、病院は直前に証拠保全が行われることを知るので、病院に改ざんをする時間を与えないという点があります。一方で、病院側としても改ざんを行っていないことを示せるため、後に訴訟などに発展した際に、改ざんを行った、行っていない、という無用な争いを前もって避けることができるという利点があります。また、弁護士は証拠保全で得られた記録を検討し、訴訟や交渉を行うかどうかを決めることが多いようです。

証拠保全に対して病院が協力することは強制ではなく、それ自体はあくまで任意の手続きではあります。しかし、もし正当な理由なく証拠保全を拒んだ場合、その理由とともに証拠保全を拒否した旨が裁判所の調書に記録され、訴訟の場になったときに不利になります。そのため、証拠保全手続きにおいて開示が拒否されるということはほとんどありえないことです。

証拠保全の現場を多く経験している弊社は過去の同様の記録から、ありうる証拠を想定して必要に応じて現場でアドバイスしてきました。電子カルテに関しても、ほとんどの電子カルテメーカーの対応経験があります。また、事前に案件を綿密に検討し、限られた時間の中で重要な証拠に重きをおくよう、現場では対応しております。また、弊社の設立においては東京の医療問題弁護団の有志が関わっており、以後も医療情報の交換等、綿密な協力関係を築いてまいりました。

カルテ開示に比べ費用はどうしてもかかってきます。しかし、医療事故、医療ミスにあい、ありうる限りの情報を手に入れたい、重要な証拠を確実にとっておきたいというとき、弊社は証拠保全を推奨します。

証拠保全全般

2016年10月14日

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